誰がOS娘を産んだのか?

では、OS娘を産んだのは誰なのだろうか。Meあきや各OS描きあき*1が描いたのだという説もあるし、としあき(「」)が生んだのだとする説もある。
だが現状では、Meあき他最初のデザインを考えて投下した絵師がその著作者だと考える向きが一般的である。としあき(「」)は、そうやって絵師から生み出されたOS娘をネタにして、勝手に改変して遊んでいるだけなのではないのだろうか?


そうではない。としあき(当時)が生みの親だとする理由がちゃんと存在するのだ。


現在一般的に最初のOS娘の生みの親とされるのは「Meあき」といわれる絵師の方である。氏が「とらぶる・ういんどうず」という架空の作品のキャラとして「Meたん」をとしあき名で投下したのが最初だといわれる。その後2k、NT、XP、95、98、98SE、XP-Homeなど(順番については知らん)が次々に生み出された。
これだけを見るとある特定の絵師によってOS娘が生み出されたように見えるのだが、実際にはそれまでの裏の経緯があるらしい。
OS漫画議論スレ(2005/05/09現在「ふたば☆ちゃんねる」の半角板にあるが、スレがどんどん進むのでリンクはしない)に書かれた内容を元にすると、Meあきが投下した絵の元となるコラが存在したようである。真偽の程は確かでないにしろ、これは虹裏的には十分ありえる話だ。
また2kかXPどちらかは忘れたが、ある夜に多くの絵師が様々なOS娘のデザインを描き、ああでもないこうでもないと言い合い、そしてある絵師が最終的にまとめたのが現在のデザインだという。これも俺様がリアルタイムで見ている訳ではないのだが、これは複数筋からそのような話を聞いてるのでおそらく正しいと俺様は考える。
(このあたりは、経緯を確認できる機会があれば、修正するかもしれない。また、もうすぐ発売されるOSたんファンブックによってその経緯がある程度詳しく書かれるかもしれない。)

このようなひとつひとつの生誕の経緯を追うのはやめにするが、とにかくOS娘というのは、それぞれがネタのカオスの坩堝(るつぼ)である虹裏から、あるときふと形になることで生まれたと考えられる。
また、それが虹裏の中で多くのとしあき(「」)によってネタにされ、描かれ、コラやGIFやFLASHなどにされ、レスされることによって、現在のような容姿や趣味、性格などを持つOS娘となってきたと言える。
「エンジョイ&エキサイティング」の項で述べたのだが、ネタとして面白ければOK、萌えるならOKという風潮があるわけで、その精神に従いいろんな人がいろんな事をする。
まず、絵師がさまざまなバージョンのOS娘を描く。
線画だった場合は、塗り職人が着色する。
その他切り絵、立体化、3D化などもなされる。
そうやってできた画像からコラ職人がコラを作成する。
GIF職人が動かしたりする。
そうやっていつのまにか出来た作品全体を集めて保管して公開するものもいる。
そして、あの有名なOSたんFLASHが作られたりしたわけである。


このあたり虹裏という場所にいない方には非常に理解が難しいと思うのだが、とにかくさまざまな得意ジャンルを持つ人間が、虹裏コミュニティという場所にあるものを使い、別の作品に仕上げてしまう。そうなるのが当たり前であって、投下する側もだいたいはそれを心得ている。むしろ使ってくれOK!みたいな風潮がある。
実際俺様も、OSフラッシュではないが、コラや色塗りしたのが使われたことはある。それはそれで名誉なことだったりするわけだ。また、自分が投下した線画がいつのまにか塗られるというのも、投下した当人にとっては結構おもしろいものであるらしい。俺様も当時いくつかの線画に対して塗り職人をしていたわけで、結構苦労はするがうまい人の線画を塗るというのは俺様の技術の役に立つ。また塗られた側にもグッジョブと言われることもあるわけで、これは職人冥利に尽きるものだ。


こうして、様々な人間がOS娘を発展させてきたわけだ。他の虹裏ネタと同じように。


確かに最初にOS娘を形にしたのは各OS描きあきだと言えるのだが、現在のような性格を付与されたり、いろいろなバージョンが作られ広く描かれるようになったのは、このように多くの絵師や職人などが関わっているといえる。また、それを許すのがこの虹裏コミュニティというカオスの世界だ。
だから、誰か特定の絵師によって生み出されたのではなく、としあき(「」)として存在する不特定集団によって生み出され育てられた、それを指してとしあき(「」)が生みの親だとする訳だ。

  • では、OS娘は絵師と職人だけが生み出したもの?

でも、そうやってOS娘を作ってきたのは絵師や職人たちであって、そうでないとしあき(「」)はOS娘の誕生には関係ないのではないか?という意見もあるかもしれない。実際この理屈は、「絵師や職人は尊敬して(やっても)良いが、虹裏で騒いでいる一般のとしあき(「」)共に(自分の描いた)OS娘についてとやかく言われる筋合いはない」といった論調で使われた記憶がある。無論これは煽るような言い方なのだが、事あるごとにとしあき(「」)が「OS娘の生みの親はとしあき(「」)、つまりは虹裏住人全体である」と主張するのに対し、外から見ている人間は「絵師や職人が貢献したのは分かるとして、それ以外の住民はただ(与えられたOS娘で)遊んでただけではないのか?」と考えることもあるだろう。

しかしこれまた、そうではない。
絵師や職人でないとしあき(「」)も、きちんとOS娘の誕生と育成に関わっているとする理由がある。また、絵師や職人も、彼らがいなければここまでOS娘を育て上げることはできなかっただろうし、それは実際に関わった絵師や職人が一番理解しているのではないかと思う。


これには、大きく二つの理由がある。


まずひとつは、OS娘に対してネタレスでの貢献がある。
ちょっと説明は難しいのだが、もともとふたばという場所は画像を貼り、それにレスをしていくことで盛り上がるという性質については昨日述べた通りだ。名作「オナホール職人の朝は早い」を見た方なら分かるだろうが、ほんの些細なきっかけだったものがとんでもないことになってしまう、それが虹裏という場所だ。OS娘に関しても同様に、何か萌えることがあったり、何かさせたいという話、何らかの属性、とにかく思いついたことや、盛り上げるためのレスを住人はつける訳だ。絵師は、そのレスを見て、レスに書かれたことを実際に描く。としあき(「」)はさらにそれにネタを出す、絵師が絵にする、職人が加工し、コラする…。
そういうことを繰り返し、いろいろな属性やデザインが付与され、いろんなマイナーバージョンのOS娘が生まれ、その中からメジャーバージョンのOS娘が自然に選ばれる。ただしマイナーバージョンのデザインや属性、性格といったものも完全に消えるわけではなく、誰かの心に残っている場合もある。
つまりOS娘の属性やデザインは、としあき(「」)のレスの中から生まれたものだという認識があるわけだ。


もうひとつは、としあき(「」)の賞賛と、E&Eの精神だ。
そもそもなぜ、絵師や職人は虹裏や関連板に自分の作品を投下するのであろうか。お金にもならず、誰が見ているかも分からず、叩かれるかも知れない。でもそんな場所に絵師は自分の描いたものを投下し、職人は苦労してそれを加工する。なぜだろうか。
いくつか理由はあるだろうが、やはりそれは、多くの見てくれる人がいて、アクティブに反応を返してくれる人がいて、賞賛してくれる人がいて、盛り上げてくれる人がいて、時にはそれを使ってくれる(エロいや、いろんな意味で)人がいるからだ。
自分の芸を見て、自分の目の前で手を叩いてくれる人がいる。
自分の作った作品を見て、それをネタにおおいにスレを盛り上げてくれる。
時には自分の思いもよらなかったような感想や、ネタをあげてくれる。
そういうとき、絵師や職人は、「ああやっててよかった、ここにいてよかった」と思うものだ。上にも挙げたのだが、それこそ「職人冥利に尽きる、としあきよ、ありがとう」と言いたくなる瞬間がある。
俺様以外のことはよく分からんが、おそらくこういうことに絵師や職人は励まされ、さらなるキャラやネタを生み出そうとするのだろうと思う。そして、それを支えてくれるとしあき(「」)がいるから、絵師や職人が成り立つのだろう。時には叩かれこともあるのだが。


特にこの「名もなき報酬もなき場」である虹裏で、絵師や職人が苦労して?作成した作品を投下するという行為自体が理解できない人も多いのではないかと思う。確かにこれは、よく理解する人と理解できない人がかなりはっきり分かれるのではないだろうか。
別に理解できないからといって悪いとは思わない。世の中にはそういう人も結構いるのだということを俺様は言いたいわけだ。
逆にとしあき(「」)に対して言っておきたいのが、この「名もなき報酬もなき」状態で作品を投下するということが、根本的に理解できない作家というのも結構いるらしいということだ。


話を戻そう。
とにかく、そうやってOS娘は育ってきたわけだ。だから、絵師や職人のみならず、それ以外の多くのとしあき(「」)が生み、育ててきたという所以だ。


…今日は最後まで書いてしまいたかったのだが、あともう少しこの話は残っている。
続きは、また後日。

*1:ここでは特に、各OS娘の最初のデザインを描いたとされる絵師を指す。