「OS娘生みの親」としあきの意識

OS娘というキャラクターが、絵師や職人のみならず多くのとしあき*1から生まれたものというのは昨日書いた通りだ。また、虹裏という場所の性質がOS娘を生み出したという考えもある。このようなことから、「OS娘はとしあき(全体)が生み出したものだ」という考えがとしあきの中にはある。(全てのとしあきがそう考えているわけではない。それについては後述する。)
ここで、「としあき全体」つまり集団としての虹裏住人「としあき」についてもう少し掘り下げて見たいと思う。
OS娘誕生の経緯は割と説明したのだが、敢えてさらにこれについて論議するのは、後々に著作権や、トラブルにおいてのとしあきの行動や意識等について説明しようとするときに必要な部分だからだ。
ちなみに、虹裏外の方にとっても虹裏住人の方にとっても少々偏りのある書き方をするが、その点はご了承いただきたい。

  • 画像掲示板「二次元裏」という場所のシステム

虹裏という場所は、前にも述べた通りネタの坩堝、(特に萌え系の)人の坩堝だ。また、ふたば☆ちゃんねる掲示板の中でも非常に流れが早く、立ったスレは現状で長くて3時間程度しか持たない。話題も、ネタスレや雑談スレ、あるいは定時スレなどといったものが多い。
この短時間で消えてしまうという性質の重要な部分に、叩きが成立しにくいということがある。もちろん叩きスレや、あるスレに粘着が沸くこともあるのだが、2chのように長時間維持するわけではないので、叩きの活動もある程度限られる。粘着が沸いたなら出現時間をずらせば良いのだし(そう簡単でもないのだが)、叩きがいるなら別のスレに移ればよい。それで解決しない場合も無論あるのだが、とにかく特定のスレで毎日叩いたり出来るわけではないし、あるスレを荒らしてもすぐにどこかにいってしまうので、2chなどに比べると嵐や叩きの活動は成立しにくい。
それよりはむしろ、ネタなどで盛り上がるか、まったり雑談するかなどの方が成立しやすいし、住民もそのようなスレを望む。、
またもって3時間なのだから、その場限りのネタとなる場合が多い。ふとしたきっかけから「〜祭りだ!」の掛け声があがり、数時間虹裏がそのネタで埋め尽くされ、そしていつのまにか消えているなど珍しくない。
その他、ある特定の時間や条件で現れる「定時スレ」というものがある。これは多分ある特定の人が立てているのだが、毎日こつこつと続けることで、「何時何分にはこのキャラが現れる」と定着する。こういうこともまた、虹裏のネタの根底的要素となったりする場合がある。
また、その場限りということもあるのだろうが、頭のネジが数本飛んでいるか、漏前酔ってるだろ!というようなカオスなネタが投下されることもある。素面で常人には発想も覚束ないようなカオスなネタを、しかも精力的に投入する、天災いや天才としか思えない方もたまにいる。しかもそれがよく出来ていたりする。こういう事から、虹裏全体のネタのカオスの度合いはますます増していく。
また、一部のネタは一時限りで消えずに残る場合もある。繰り返し貼られ、スレとなり、あるいはさらにネタとして発展する場合もある。これも先日述べた通りだ。とすると、虹裏にかなり常駐していないと分からないネタなども出てくるわけだ。
あと、「としあき」という名の元となった事件を引き起こす「キボンスレ」というのもある。元は、同人誌や漫画の1ページを上げ、全体のアーカイブファイルをUpLoad依頼(要求)するといったものだ。著作権がどうのと人の事はあまり言えない虹裏の中でもなかなか違法性の高いものだが、いろいろ関連の問題が発生したこともあり、現在の虹裏ではほとんど見かけることはなくなった。むしろ現在は、画像の詳細(作者や作品名など)を知るために立てられることが多い。

上に述べた通り、叩きは成立しにくい上にネタスレや雑談スレが主な要素となってくる。すぐ消えてしまうためかどうかは分からないが、軽い質問から深刻な相談みたいなものまで、スレを立ててみると案外リアルタイムで重要な示唆を与えてくれる「としあき」がいる。(ネタにされる場合も無論あるが) また、自分の立てたスレが意外に盛り上がったりする場合もある。(無視されたまま落ちていくスレも多数あるが)とにかく目の前でスレがリアルタイムで進んでいく。
スレが川の流れのように進み、自分がそれにある程度影響することができる。皆名前は同じだし誰が誰かは分からないが、なんとなく盛り上がっている。
こういう場所は、不特定多数のチャットなどが好きな人など、肌に合う人にとってはとてもおもしろい場所だ。ネットゲーム同様、一度はまると離れられなくなる人も多い。
ユーザ数・数千のリアルタイムチャットだと考えると理解しやすいだろうか。
またしばらくいると、虹裏でしか通用しないネタも少しづつ理解できるようになってくる。あるネタに対してどのように応答すればいいか分かってくるようになる。そうすると、自分たちは虹裏住人なのだという意識が芽生えてくる。
結果、そのような住人で構成されたコミュニティ、穿った言い方をすればかなり大きな馴れ合いのコミュニティが形成されることになる。
確かに虹裏という場所は、「としあき」という名の、巨大な馴れ合い集団という性格を持っている。虹裏外でも「としあき」という名を呼び合うことでお互いを確認しあい、自分たちの仲間がここにもいるのだということを確認しようとする傾向がある。2005/05/08 「嵐の象徴みたいに言われるとしあき(「」)だが… 」で述べたが、虹裏外でもとしあきのコミュニティを作りたがるのは、おそらくそういう所以だろう。
俺様も場所は選びはするが、はっきりいって人の事は言えない。


また、匿名の馴れ合いのコミュニティゆえ、これまで仲間や居場所というものを作るのが得意でなかった人も受け入れてもらえやすい場所であるようだ。文字や画像に容姿や性格は関係ないし、それでコンプレックスを感じる必要もない。ある意味、「としあき」という名のもと全ての住人が平等だからだ。少々ミスって他人様に迷惑をかけてしまったとしても、遺恨として残ることはほとんどない。何せ、誰がやったかは分からないし、そういう場所なのだから。もちろん、嵐などすればそれはまた別だが。
そういう場所だから、自分の居場所や仲間を求めてさまよっていた人にとって、離れられない場所となる場合がままあるわけだ。やっと見つけた自分の居場所、その場所に対する想いは強いに違いない。


絵師をはじめとする作家や、他ではあまり発揮することのない特殊な技術を持つ職人にとっても、虹裏という場所が特別な賞賛を受け、また自分の作品が思いもよらない方向に変化することのある特別な場所であるという事は、昨日述べた通りだ。そういう人たち、俺様もそうなのだが、彼らにとっても虹裏は特別な場所であるわけだ。


このように、虹裏が特別な場所であるという意識、自分たちが虹裏住民「としあき」であるという意識は、ある種の集団意識を生むことが多い。
ひとつは、排他的な考え方。としあき以外に虹裏のことが理解できるかという考え方。関連して、場を守ろうとするためによそ者は入れたくないという考え方が出る。
ひとつは、セクト意識。閥とでも言おうか、「としあき」どうしで固まる傾向がある。
ひとつは「みんなでやれば怖くない」的な考え方。一人ではできないが、「としあき」として徒党を組むことで実行してしまうということだ。これで虹裏住人があるサイトを荒らした例を一例知っている。またOS娘関連で問題になっているいくつかのサイトについては、としあきが荒らしたと言われることもある。(俺様は全く同意しかねるのだが) ただし2chなどで行われる方がずっと多いように思う。
そしてもうひとつが、選民思想である。「としあき」だから許される、壷住人*2は壷にカエレ、などである。


これらの意識は多かれ少なかれ、住民全体の傾向として存在はする。ただ、もちろん全ての住人が強くそういう意識をもっている訳ではない。排他的な住民がそれほど多いわけではないし、選民思想よりはむしろ「としあきからしょうがないな」という考えを持つとしあきの方が多いだろう。2chに「としあき」で書けば「虹裏にカエレ」と言われるし、何かあった時に実際に行動に出るとしあきは絶対数からすればごく一部だ。
それに思うのだが、何か虹裏コミュニティのリソースを侵害したり、としあき全体に対して暴言を吐くなど一方的な態度に出られたのであれば、結果として集団であろうとなかろうと、結果として「みんなでやれば怖くないから」という動機であっても、自分が正しくないと思うことに対して正当な形でNo!という意見をを突きつけることは決して悪いことではないと思う。
これについては、後日詳しく述べる予定ではある。


…いろいろ書いてるとなかなか終わらんものだ。
すまんが、また後日に続く。

*1:としあき(「」)と書くと読みづらいので、本日の稿では「としあき」に統一する

*2:2chネラー。俺様も2ch出身なのだが。